脳梗塞の慢性期の治療、再発予防に効果があるアスピリンと塩酸チクロピジン

脳梗塞の急性期に飲み薬が投与されることはありません。したがって患者さんやその後家族が知っておきたいのは、脳梗塞を発症してから1ヶ月以上経過した「慢性期」から投与される薬や、外来通院するようになってから処方される薬です。代表的な薬として、脳循環代謝改善薬、抗血小板薬、抗凝固薬が挙げられます。

脳梗塞の後遺症として、麻痺や言語障害にくわえ、頭痛や肩こり、イライラ、やる気の低下などの症状がみられるときには、脳の働きを活発にするために、補助的に脳循環代謝改善薬が使用されることがあります。頭痛や肩こりがある場合には、脳の循環をよくする代謝機能改善作用のあるものが用いられ、イライラなどの精神症状がある場合には、神経伝達昨日を改善する作用のあるものが用いられます。

血小板の働きを抑えることで血栓ができるのを防ぐ、抗血小板薬には多くの種類がありますが、一過性能虚血発作(TIA)、脳梗塞の予防、脳梗塞の慢性期の治療、再発予防に効果があることが証明されているのは、アスピリンと塩酸チクロピジンです。

国内ではチクロビジンが処方されることが多いですが、アスピリンは風邪薬や頭痛薬として有名です。脳梗塞で使用するアスピリンの量は、国内で風邪薬として使用される量よりも少量となっています。

アスピリンもチクロピジンも、脳梗塞の急性期に神経症状や予後を改善する効果があることは、まだ証明されていませんが、同じ抗血小板薬であるオザグレルナトリウムが、手足の麻痺などを改善する効果のあることがわかり、急性期の治療に使用されるようになりました。

脳梗塞の急性期に使用される抗凝固薬には、ヘパリンの注射があります。これは、血栓で詰まりかかった動脈が完全に詰まるのを防いだり、血栓が大きくなって詰まった箇所が広がるのを防ぐ薬です。しかし、ヘパリンの効果が強すぎると、出血のリスクがあるため、専門医の監視の下、慎重に使用する必要があります。

心原性脳塞栓症の慢性期には、内服タイプの抗凝固薬であるワルファリンが使用されます。そのほか、血栓を溶かす血栓溶解薬、血液が濃くなりすぎないように水分や栄養補給をする輸液、意識障害を起こした場合には、脳の代謝を活発にする脳代謝改善薬を用いることもあります。