脳梗塞の前触れ「一過性能虚血発作(TIA)」があれば医療機関を受診しましょう

重症の脳卒中に襲われた際には、我慢できないほどの激しい頭痛、吐き気・嘔吐、意識障害、半身麻痺などの症状が現れるため、自力で病院へ行くことは勿論、救急車を呼ぶことも困難なケースがあります。高血圧性の脳出血の多くは前触れなくあやってきますが、脳梗塞とくも膜下出血には前触れのあるものが少なくないため、覚えておくといざという命を助けることになります。

脳梗塞の前触れとして、一過性能虚血発作(TIA)があります。これは一時的に脳のある部分の血流が悪くなるためで、例えば、ご飯を食べている時に急に手に力が入らなくなり、箸を落としてしまい、おかしいと思っていると、数分から数時間でもとの健康な状態に戻ってしまう。そして、数日後に同様の発作が起きる、このような発作を繰り返すものです。

TIAの症状としては、ろれつが回らなくなったり、視野が半分欠けたり、手足に麻痺があわれたりすることがあります。これらの症状が現れたら、わずかな時間で元に戻ったとしても、そのまま見過ごしてはなりません。早急に神経内科もしくは脳神経外科の医師の診察を受けましょう。適切な治療を受けずに放置していると、今度は本格的な脳梗塞を起こして重い後遺症が残ってしまう可能性があります。

一昔前はTIAに対して、血管の細くなった部分の先に他の血管を繋ぐ手術が広く行われていましたが、現在では内科的に治療に優るほどの効果は認められないとして、行われていません。ですので、TIAで受診して頭にメスを入れることはないので、安心して脳神経外科を受診してください。

くも膜下出血の前触れ症状として最も多いのが頭痛です。ただ一口に頭痛といってもさまざまなタイプがあるため、頭痛がどのように起きて、他にどんな症状があったのかということが大事です。何となく頭全体が重いとか、それが慢性的に続いているというのはくも膜下出血と関係はありません。

くも膜下出血の本当の前触れは、後で振り返って正確な時間が思い出せるほど、頭を殴られたような強烈な痛みが突然やってきます。嘔吐を伴うこともあります。その後ガンガンする頭痛が、しだいに重苦しい頭痛に変わり、後頭部を中心に数日続いてから快方に向かいます。微熱や肩こりなど風邪に似た症状が現れることもあります。